包丁を買いたいけど、いっぱいあるからどれがいいかわかんない。
今まで100本以上使った経験のある、包丁マニアの僕がお答えするよ。
包丁は料理人の命と言われるくらい、大切なパートナーです。
ここは、めちゃくちゃこだわって選びましょう。
鋼の包丁はよく切れますが扱いが難しいので、今回は初心者向けにステンレス製の包丁に限定しますね。
最後におすすめの包丁をレビュー付きでご紹介します。
料理人見習いや、料理人を目指す人が最初に買うべき包丁の選び方
料理人が最初に買う包丁は牛刀とペティナイフの2種類
包丁は用途によって形や大きさが異なるのですが、最初はそんなことは気にぜずに、まずは牛刀とペティナイフを購入しましょう。
ほとんどの作業はこの2本があればなんとかなります。
【牛刀の特徴】三徳包丁との違いは?
牛刀と同じような包丁に三徳包丁があります。
牛刀は西洋で、三徳包丁は日本で生まれたもので、用途は同じですが、三徳包丁は刃渡り18センチ前後が多く、大量に調理するプロ向けではありません。
切先も尖っていた方が使いやすいので、プロなら迷わず牛刀を選びましょう。
・牛刀はプロ用
・三徳包丁は家庭用
肉、魚、野菜、パンなど万能。
牛刀は刃渡り16センチから30センチが主流ですが、最初の包丁には24センチをおすすめします。
大きすぎないので取り回しもいいですし、重みを利用して切ることができるので包丁の技術を身につけるのにちょうど良いです。
慣れてきたら、刃渡り18センチや28センチなどを買い足すと良いでしょう。
ペティナイフの特徴
ペティナイフは牛刀をそのまま小さくした形状です。
牛刀では切りにくい小さなものや、剥きもの、飾り切りなどに使用。
おすすめの長さは刃渡り15センチです。
剥きものをするならもう少し短い方がいいのですが、最近は剥きものを大量にするような現場は少なくなってきているので、15センチの方が万能なので使いやすいです。
うまく使いこなせれば、牛刀がなくてもこのナイフ1本で仕事ができるようになります。
小さい厨房やカフェ、ご家庭での使用でしたら、大きな牛刀よりこちらのペティナイフの方が使い勝手がよいですね。
日本製か海外製のどちらの包丁がよいのかを比較
まず、包丁を選ぶ際に日本製か海外製を決めるところから始めます。
例外を除き、それぞれ特徴があるので解説します。
日本製包丁の特徴
- 軽い
- 砥ぎやすい
- 切れ味が鋭い
- 刃の厚み薄め
軽い
軽量で取り回しのよいものが多いです。
力のある男性なら、少し軽すぎると感じるモデルも多くあります。
砥ぎやすい
砥石で研ぐとすぐに刃がつく(切れるようになる)ものが多いです。
それだけ刃の減りが早いので上手に砥がないと包丁が変形するので注意が必要。
切れ味が鋭い
鋼の包丁には及びませんが、食材にスッと入っていく素晴らしい切れ味です。
「切るというより、斬る」という表現がしっくりきます。
何を言ってるかわからないですよね?
・・・すいません。
「叩き切るというより、スパッと切る」みたいな感じです。
刃の厚み薄め
重さや切れ味にも関係してくるのですが、刃は比較的薄めに作られています。
これが軽さや切れ味の鋭さを実現するために必要なんですね。
横からの圧力には弱いので、地面に落としたり、側面に強い衝撃を受けるとポッキリ折れる可能性があります。
海外製包丁の特徴
- やや重め
- 少し砥ぎにくい
- 丈夫さ重視
- 刃に厚みあり
やや重め
日本製に比べ、重厚で重いものが主流です。
重みをうまく利用して使うと、大量の仕込みでも疲れにくくなるというメリットがあります。
少し砥ぎにくい
個人的な感覚ですが、少し砥ぎにくく、切れ味が落ちるのも早めです。
砥ぎにくいと言っても、それほど問題視するほどではありませんので、ご安心ください。
とても頑丈
これでもかというくらい頑丈に作られています。
少々のことでは折れることはないでしょう。
ただし、落下による切先の折れは防げませんので注意してください。
刃に厚みあり
日本製に比べかなり厚みがあります。
重くて、丈夫なんだから当たり前ですよね。
みじん切りにはむいているのですが、薄く切りたい時はこの厚みが邪魔して切りにくいです。
大袈裟にいうと、「力技で叩き切る」という印象だと思ってくだい。
包丁マニアのプロ料理人がおすすめするのはこれ!予算別に4種をご紹介
僕が使ったことのある日本製の包丁を予算別にご紹介します。
牛刀とペティナイフ、2本合計の価格です。
海外製もよい包丁はたくさんあるのですが、最初の包丁はできるだけ王道タイプがよいと考え、日本のものから4種類選びました。
一本ずつ別のメーカーで揃えてもよいのですが、これから増えていくことを踏まえて、同じメーカー、グレードで揃えています。
3本目は、筋引きか出刃かな・・・。
【2万円以下】Misono(ミソノ)モリブデン鋼シリーズ
切れ味をよくするモリブデン入り。
ハイカーボン高級13クロム・ステンレス・モリブデン鋼を使用。
ハイレベルの技術を駆使した錆びにくく切れ味のさえるステンレス鋼包丁。
ミソノ刃物株式会社
日本のミソノ 刃物株式会社が作っている、業務用包丁の中では入門用となるスタンダードモデルですが、包丁にこだわりのない人であればこれで十分です。
プロ仕様で頑丈に作られていますし、ちゃんと研ぐとしっかり切れます。
平均点以上の優秀でコスパの良いモデルですね。
デメリットは持っている人が多いのと、ミソノのラインナップの中では最低グレードなので、いいものを持っている人と比べると、どうしても見劣りします。
しかし、仕事をする上ではそんなことは関係ないので、実用性を重視する人にとっては良い選択です。
でも、そのうち「もっといい包丁が欲しい」ってなるんですよね。
【3万円以下】Misono(ミソノ)440シリーズ・グレステン
一般によく使われている従来の13クロムステンレスより錆びにくく、
より粘り強い16クロムステンレス鋼を使用。
プロのフォルムとプロの切れ味のより錆びにくいしかも研げる高品質のプロ用包丁の秀作。
ミソノ刃物株式会社
モリブデン綱シリーズの上のモデルです。
ステンレスでは中級グレードに当たります。
ぶっちゃけ、モリブデン綱シリーズと切れ味はそんなに変わらないので、こちらを買うメリットは「ちょっといい包丁持ってます」とアピールできるところでしょうか。
そういうのも、仕事のモチベーションを上げるには、けっこう重要ですので、買う価値はありますね。
独特の形状で人気なのがホンマ化学のグレステンという包丁です。
★ | 安全性・デザイン |
・ステンレス鋲でしっかりと固定。ぐらつきがありません。 ・握ったときのバランスの良さ(重さとバランス) ・シンプルなデザイン。 | |
★ | 耐腐蝕性 |
・水に強い積層強化木を使用。耐腐蝕性に優れた柄です。 | |
★ | 特殊形状 |
・このミゾに空気が入るため、密着抵抗が減り、軽い切れ味と切り身がつきにくいという効果を生みだします。 | |
★ | 切れ味・耐久性 |
・硬度が高く安定したグレステン鋼を使用。サビに強く、しかも研ぐのも簡単。さらに長時間わたってシャープな切れ味が保てます。 |
似た形状のものがミソノでもあるのですが、通常のモデルに比べ馬鹿高いので、グレステンの方がコスパが良いです。
この刃についた特殊形状のおかげで食材がくっつきにくいのですが、全然くっつかないというわけではありません。
過度に期待するとがっかりするかも。
実際に使った印象は「重い」の一言。
ヒョロイ腕の僕には合いませんでした。
慣れればその重みで切れるようになるので、愛好家もたくさんおられます。(決して悪い包丁ではありません!)
こちらは右利き用と左利き用があるので購入する時は注意しましょう。
【4万円以下】Misono(ミソノ)UX10sシリーズ
EU製の高純度ピュアステンレス特殊鋼を使用し、ミソノの古い伝統と新しい技術の複合から生まれたステンレス鋼包丁の最高峰。
ハガネ包丁なみの鋭い切れ味と研ぎやすさ。
UX10はミソノの登録商標です。
ミソノ刃物株式会社
最後にご紹介するのはこちら、ミソノの最高級シリーズとなる UX10です。
現在、僕はこのモデルをメインに使っているので強くお勧めしたいところですが、最初の包丁には向いていません。
切れ味は3万円以下のモデルとは明らかに違い、食材にスッと入っていきます。
見た目も、高級感があって大好きなのですが、値段以外に何点がひとつ。
研ぐとめっちゃ刃が減ります。
良い包丁の判断基準に砥ぎやすいという項目があるのですが、これはちょっと砥ぎやすすぎて、慣れないと刃が曲がってきます。
ちょっと繊細すぎるので、もう少し頑丈な包丁で慣れてから、ステップアップとして購入することをおすすめします。
まとめ
- 最初の包丁は牛刀とペティナイフを購入する
- 刃渡りは牛刀24cm、ペティナイフ15cmが使いやすい
- 価格は2本で15000円以上のものだと長く使える
- ミソノのモリブデン鋼シリーズから初めて、数年後にミソノUX10かグレステンへ買い替えるのがベスト